2022年7月17日作成
2023年4月23日更新
目次
はじめに
株式投資の方法の一つの「貸株」についてご存じでしょうか?
「貸株という言葉は聞いたことがあるけど、何かリスクがあるとも聞いたことがあって、よく分からない」
そんな方が多いかもしれません。私もそんな一人でした。
そこでモノは試しということで実際に初めてみて、私が感じた貸株のメリットとデメリットをまとめています。
なお、本記事は筆者の一感想であり貸株を勧めるものではありません。貸株を利用するかは必ず制度の内容を認識し、各個人の判断/責任でお願いいたします。
貸株とは
”貸株サービスとは、お客様が保有している株を楽天証券に貸出すことで、相応分の金利が受け取れるサービスです。簡単に言うと、株のレンタル料がもらえると言うことです。”(楽天証券HPより抜粋)
例として貸株金利が1.0%の銘柄を200万円分貸し出した場合、1年で20,000円受け取れます。下図は楽天証券HPより抜粋したものです。
図.https://www.rakuten-sec.co.jp/web/domestic/lending/
一般的なメリット
持っている株式から貸株金利が得られる
株式は株の値上がり(キャピタルゲイン)または株式配当金(インカムゲイン)により利益を上げますが、そこに貸株による貸株金利を得られます。
いつでも売却可能
貸株に出したからと言って売却に制限はなく、いつでも普通に売却注文することが可能です。
一般的なデメリット
貸株の設定によっては配当金と株主優待が貰えない
事実です。ただし、貸株の設定により、楽天証券であれば「株主優待・予想有配優先」を選んでいれば、配当金および株主優待の権利が確定する日に自動的に手元に返ってきます。
継続保有得点のある株主優待を貰えない
事実です。「継続○年でクオカードが〇円アップ」のような特典を得られない可能性があります。
NISA預かりは対象外
詳しい仕様は調べてませんが、NISA枠で購入した株式は貸株に出すことが出来ません。
確定申告(住民税)が必要
貸株は「雑所得」になります。
20万円以下であれば確定申告は不要、という認識をされている場合がありますが、誤りです。
20万円以下で不要なのは所得税の確定申告であり、住民税の確定申告は必要になります。
※確定申告の必要性はご自身の地域の税務署やインターネットなどで必ず確認してください。上記はあくまで筆者が調べた範囲での認識です。
筆者の貸株への考え方
貸株のメリット
追加の不良所得を得られる
一般的な配当金に比べれば微々たるものですが、不労所得を得ようという行為自体は問題ないと考えてます。
実際に私は現状年間約5000円の貸株金利を得ています。
毎日金利を貰える
貸株は日割りの金利になります。
貸株金利の「%」は1年で得られるものですが、貸株金利自体は日割りで貰えます。
つまり、毎日、貸株金利÷365のお金を得ることが出来ます。
金額としては微々たるものですが、配当金と異なり毎日得ることが出来るのは精神的に心地よく感じます。
長期保有予定の株式が働いてくれる
筆者の投資スタイルは基本は買った株は持ち続ける、長期保有スタイルです。
このような株式も貸株に出すことで貸株金利を稼いできてくれます。
貸株のデメリット【筆者の場合】
証券会社が潰れると帰ってこない
利用している証券会社が潰れる(倒産する)と貸株金利は帰ってきません。
これが良く言われる最大のデメリットかと思います。
「微々たる利率のためにそこまでのリスクを負うのはおかしい」という意見があります。
このリスクをどう捉えるかは各人の判断によります。
米国株が出来ない
筆者は投資の半分以上を米国株に投資しているため、貸株に出せるのは一部の日本株のみとなってます。
日本株の中でもNISA枠以外かつ継続保有特典の無い株主優待に限るため、投資金額全体に対する割合は少ないです。
⇒メリットの享受量が少ないです。
実際のところ貸株金利1.0%ものは保有してない
冒頭に記載した楽天証券の画像では貸株金利1.0%とありますが、そんな銘柄は持ってません。
貸株金利1%もある銘柄はそれ自体がリスク銘柄であり、株価自体が変化が大きいもののためそもそも購入してません。
あえて貸株金利の高い銘柄を買う戦略もあるかもしれませんが、そうすると株価も毎日追わないといけなくなるので、それは筆者の投資方針と異なるためやりません。
確定申告が必要
わずかな貸株金利でも住民税の確定申告が必要になります。
⇒年間数百円~数千円の貸株金利のために確定申告が必要。
冷静に考えて大きな資産を貸株に出せないのであれば、確定申告をする手間のほうが大きいのでやらないほうが良いです。しかし、筆者の場合はサラリーマンということもあり、確定申告というものを経験(勉強)したいというのがあります。
また、今年は医療控除で確定申告をどうせするので、ついでにやろうという考えもあります。
まとめ
貸株金利はほぼノーリスクで不労所得を得ることが出来る制度ですが、確定申告が必要になるなど手間も生じます。
筆者としては現状は不労所得を得る選択を取っていますが、制度自体をしっかり把握して貸株をするかは考える必要があります。
以上