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プロレスとやらせとは?舞台裏・ストーリー・エンターテイメントについて解説

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プロレスを愛する多くの人々にとって、プロレスは熱狂的で最高のエンターテイメントと考えています。

しかし、その一方で「プロレスはやらせでつまらない」「結局やらせがあって純粋なスポーツではない」というネガティブな意見を持つ人もいます。これはリング上で展開される壮絶な戦いが、あくまで演技や決められた茶番(やらせ)と捉える人々がいることです。

本記事では、プロレスの世界における「やらせ」という言葉の意味や実態について記載していきます。プロレスは決められたストーリーに基づき、結果は初めから決まっているのか?その背景は?プロレスの試合が「やらせ」という単なる筋書きだけではないことを示していきます。あわせてプロレスの魅力・エンターテインメント性についても解説します。

 

 

 

目次

 


プロレスにおける「やらせ」とは?

「やらせ」とは、プロレスの試合が事前に決められたストーリーに従って行われて、結果も決まっていることを指します。つまり、試合の展開と結末があらかじめストーリー化されいて、レスラーはストーリーの演者となります。このような演出があるがゆえに、プロレスが純粋なスポーツではないと言う人々がいます。一方でだからこそプロレスは最高のエンターテインメントであると言う人々人々もいます。

プロレスの歴史において「やらせ」は重要な役割を果たしてきました。20世紀初期は観客を引きつけるためにドラマやストーリーが重要とされ、試合の結果も演出(決まっている)されることが一般的でした。1950~1960年代にかけてテレビの普及に伴いプロレスは日本を含めて各国で一気に人気を拡大しました。人気拡大に比例して「やらせ」は一層重要な要素となりました。試合の結末が予め決められることで、試合のストーリーがより緊張感や興奮を持って進行し、観客・テレビ視聴者は釘付けとなりした。

「やらせ」の存在は(基本的には)スポーツにはありませんが、プロレスには事実としてあります。「やらせ」があることでプロレスが他のスポーツ以上にエンターテインメントを高めています。決められたストーリーをどのように紡ぎだすか、逆にストーリーを無視して違う結果になるのか、ファンはこのエンターテイメント性を楽しんでいるのです。

 


プロレス試合におけるストーリーとは

プロレスの試合はイベントの成功、すなわち観客が満足するために緻密にストーリー化されています。このストーリーがいわゆる「プロレスのやらせ」と言われるものです。

ストーリーはイベントプロモーターとブッカー(出場交渉人)により決められ、出場するプロレスラー・役割・試合・展開を考えます。事前に決められたストーリーに沿って試合の流れが設定され、盛り上がりポイントや終わり方が演出されます。その1試合だけでなく次の試合、シリーズを通したストーリー構成が求められます。

決められたストーリーを完遂するためにプロレスラーたちは与えられたキャラクターと役割を完璧に把握し、試合を行います。これはプロレスラーが「単純に決められたことをこなすだけ」という簡単なものではありません。プロレスの技術だけでなく、ストーリーを盛り上げる演技力や観客を伺いながらのその場の気転が求められます。また、1人のプロレスラーだけでなく、マット上にいる敵味方同士で共有する必要があります。このようにプロレスにはストーリーはあるものの、実現するプロレスラーの技術と気転により構築されます。中にはストーリーを無視して動くプロレスラーもいますが、結果として観客が盛り上がると、イベントプロモーターも認めてその路線で進むことになります。

 

 

プロレスの魅力とは?

プロレスの魅力はずばり登場人物のキャラクターとストーリーといえます。各プロレスラーは独自のキャラクターを持ち、そのキャラクターを通じて観客にストーリーを語りかけます。ストーリーがあることでプロレスは単なるスポーツではなく、感情移入や興奮を産む最高のエンターテイメントとしての地位を確立しています。プロレスはスポーツとエンターテイメントの両面を持つ競技であり、ストーリー展開や登場人物のドラマが試合をより魅力的なものにします。

中にはストーリーを無視した展開をすることもあります。プロレスラーも人間ですから本当に納得いかず感情に任せることもありますし、会場の雰囲気を読んで「今日はこっちに進んだほうが最終的に(興行的に)盛り上がるな」とも考えます。これもプロレスの魅力と言えます。

 

観客がプロレスを楽しむポイントはいくつもあります。

・プロレスラーのキャラクターやストーリーに共感し、試合の結末を楽しみにすること。

・試合の雰囲気や興奮、度肝を抜かれる予想外の展開に胸を躍らせること。

・プロレスラーの高度な技術に興奮すること。

・リング外でのプロレスラーの演技、ストーリーを楽しむこと。

 

 

 

プロレスラーの技術と身体能力

ここまでプロレスの試合はストーリーが決まっていて、プロレスラーはそのストーリーをファンに楽しんでもらうように試合をするだけ という印象を持たれた方もいるかもしれません。

しかしそれは大きな間違いです。プロレスラーはリング上で身体を張り多くのリスクを背負いながら試合を行っています。ストーリーを盛り上げるためのプレーは技術を要しますし、自身と相手が怪我をしないようなテクニックも必要となります。これは大怪我をする可能性があることを意味し、誤解を恐れず言えば本気で打撃を加えないようにもしています。試合を魅力的なものにするために時には怪我のリスクのある大技を出す必要があり、プロレスラーは常に身体を捧げており信じられないような覚悟が求められます。プロレスの歴史の中には死亡事故につながることもあります。

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プロレスラーは身体的な技術だけでなく、これまでのストーリーを踏まえつつ、その場の会場の雰囲気、コンディション、感情を読み取りストーリーを重視しつつも「何が最善な終わり方か?」を常に考えています。またお互いのキャリアのために自粛したり、譲ったりなどもします。このようにフィジカル面だけでなく、「空気を読む力」も求められます。日本人が海外でも活躍出来るのはもしかしたらこの「空気を読む力」に優れているのが武器になっているのかもしれません。

 

 

プロレスの進化と未来について

プロレスラーはストーリーを演じるための技術習得に努力しますが、それを上回るべく進化を続けていく必要があり、想定されるストーリー以上の盛り上がりを生むことになります。また、観客の趣味・趣向も時代によって変化するため、その都度に求められるテクニックを習得する必要があります。

また、イベントプロモーターも過去の栄光にあぐらをかかず、観客の要望に応える・上回るために常に新しいストーリーとキャラクターを展開する必要があります。特に近年はインターネット視聴の普及によりプロレス以外のスポーツも容易に視聴できるようになり、非常に激しい競争にされされています。一方で、他のスポーツのファンを取り込むチャンスでもあります。

プロレスがファンを拡大するために、これまで以上に盛り上がる「やらせ」=「ストーリー」を提供してくることでしょう。実際にアメリカのプロレス団体WWEはプロレスはショー(≠スポーツ)であることを明言しています。

 

 

まとめ

プロレスの試合が「やらせ」であるという風潮がありますが、実情は複雑なものです。

確かに試合の流れや終わり方はイベントプロモーターにより決められたストーリーによります。しかしそのストーリーに観客は興奮し、興奮を生み出すのはプロレスラーの高い技術・キャラクターによるものです。つまりプロレスの「やらせ」とは単に決められた筋書きではなく、スポーツとエンターテインメントの究極の融合とも言えます。

 

 

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