世界最高峰の自転車レース「ツール・ド・フランス」。
その過酷さに見合った賞金は、一体どれほどの金額なのでしょうか?
本記事では2024年大会を参考に賞金総額や各賞の内訳を一覧表で分かりやすく解説します。
さらに日本人選手の受賞歴や、賞金の分配方法・税金事情まで詳しく紹介しますので、ツール・ド・フランスの“お金のリアル”が見えてきます。
目次
- ツールドフランスの賞金総額【2024年実績】
- 各賞の賞金内訳【一覧表】
- 他のグランツールとの賞金比較
- 日本人選手の獲得賞金
- 賞金の分配は?選手とチームの取り分
- ツールドフランスは“賞金目当て”の大会ではない
- 実際の受取額は?フランスの税金が適用?
- まとめ
ツールドフランスの賞金総額【2024年実績】
2024年のツール・ド・フランスでは総額約230万ユーロ(約3億8,000万円)の賞金が用意されました。
賞金は各ステージや総合成績に応じて選手やチームに分配され、個人総合優勝者から各ステージの勝者、山岳賞やポイント賞など様々なカテゴリーでの活躍に対して支払われます。
大会賞金はスポンサー費用が支えています。
各賞の賞金内訳【一覧表】
賞の種類 | 順位 | 金額(ユーロ) | 金額(日本円換算) |
---|---|---|---|
総合優勝(マイヨ・ジョーヌ) | 1位 | € 500,000 | 約8,250万円 |
2位 | € 200,000 | 約3,300万円 | |
3位 | € 100,000 | 約1,650万円 | |
ポイント賞(マイヨ・ヴェール) | 1位 | € 25,000 | 約413万円 |
2位 | € 15,000 | 約248万円 | |
3位 | € 10,000 | 約165万円 | |
山岳賞(マイヨ・ア・ポワ) | 1位 | € 25,000 | 約413万円 |
2位 | € 15,000 | 約248万円 | |
3位 | € 10,000 | 約165万円 | |
新人賞(マイヨ・ブラン) | 1位 | € 20,000 | 約330万円 |
2位 | € 15,000 | 約248万円 | |
3位 | € 10,000 | 約165万円 | |
チーム総合賞 | 1位 | € 50,000 | 約825万円 |
2位 | € 30,000 | 約495万円 | |
3位 | € 20,000 | 約330万円 |
※1€=165円換算
他のグランツールとの賞金比較
世界最高峰の自転車レースであるツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャの賞金を比較してみます。
同じグランツールではありますが、やはりツール・ド・フランスが圧倒的に賞金が高く、総合優勝賞金は2倍、3倍の差があります。
日本人選手の獲得賞金
新城幸也選手はこれまでに10回以上ツール・ド・フランスに出場しており、日本人としては歴代最多の出場回数を誇ります。
中でも注目すべきは、2012年と2016年の2大会において敢闘賞を受賞しており、新城選手の活躍でチームは賞金2,000ユーロ(約33万円)を得ることが出来ました。
(※賞金は2024年大会のため、過去大会はこれよりは低い金額)
敢闘賞はその日のステージで最も積極的かつ攻撃的な走りを見せた選手に贈られるもので、観客や解説者からの高い評価が必要となります。
◎2012年 第4ステージ:果敢な逃げ
2012年大会の第4ステージではスタート直後からアタックを仕掛け、終盤までメイン集団を引き離す見事な走りを披露しました。残念ながら勝利には届きませんでしたが、その積極性が評価され、ステージ敢闘賞を獲得し、アジア人として初の快挙でした。
◎2016年 第6ステージ:137kmの大逃げ
2016年大会の第6ステージでは序盤3km地点でチェコのヤン・バルタ選手と共に逃げて実に137kmを先頭を走り続けました。最大5分以上のタイム差を築いたものの、ゴール22km手前でメイン集団に吸収されました。そのアグレッシブな走りが評価され、再び敢闘賞を受賞しました。
賞金の分配は?選手とチームの取り分
ツール・ド・フランスでは賞金を獲得した選手が全額を受け取るわけではなく、実際にはチーム全体で分配するのが一般的な慣習です。
これはレースが選手個人の力だけでなく、チーム全体の協力によって成り立っているという認識に基づいています。
実際、2024年のツール・ド・フランスで総合優勝を果たしたポガチャル選手とUAEチーム・エミレーツは、総額80万6,810ユーロ(約1億2,100万円)を獲得しましたが、この賞金はチーム全体で分配されたと言われています。
ツールドフランスは“賞金目当て”の大会ではない
ツール・ド・フランスは華やかなステージと激しい戦いが注目される一方、約1ヶ月の大規模な大会にも関わらず総額約230万ユーロ(約3億8,000万円)と賞金金額はそこまで高くはありません。
さらに選手目線で見ると賞金の多くの場合チーム全体で分配されます。
このためツール・ド・フランスでは「賞金を稼ぐ」というより、「名声を高めて将来的な価値を築く」ことが重視される大会といえます。
また世界中で高い注目を集めるためチームスポンサーにとっても極めて重要なイベントのため、選手たちはスポンサーの価値を高めるためにもレース中の積極的な走りを心がけています。
The economics of the Tour de France - The Hustle
実際の受取額は?フランスの税金が適用?
ツール・ド・フランスて受け取る賞金は全額貰えるものではなく、我々の給料と同じく税金がかかります。
ツール・ド・フランスはフランスで行われるためフランスの税金がかかり、所得税と社会保険料が課せられます(一気に日常感が出てきて少し嫌ですが)。
受け取る賞金金額により変わりますが、金額が高いのためかなりの税金を支払う必要がありそうです。
Taxation in France - Wikipedia
まとめ
- ツール・ド・フランスは総額約230万ユーロ(約3億8,000万円)の賞金が用意される一大イベントですが、選手たちにとっては賞金だけが目的ではありません。
- 賞金は基本的にチーム内で分配され、正気人にはフランスの税制により目減りします。
- 選手・チームは賞金よりも世界的な注目と名声を得るために過酷なレースに挑みます。
- ツール・ド・フランスはその歴史・ブランドから選手のキャリア形成やチームスポンサーへの貢献といった“見えない報酬”が存在しています。
以上