「300kmで“短いレース”?」
ロードレースの距離を知るとその過酷さに驚かされます。
本記事では世界の有名ロードレースを“距離順”に画像付きのランキングで紹介します。
各レースの特徴や難所も解説しており、往年のロードレースファンからこれから見始める方にとっても参考になる内容と思います。
【参考】世界の自転車ロードレースの格式をランキング形式で紹介しています。
目次
- 10位 オリンピック男子ロードレース 230~270km
- 9位 パリ〜ルーベ 約250km
- 8位 ミラノ〜サンレモ 約300km
- 7位 パリ〜ブレスト〜パリ 約1,200km
- 6位 ロンドン〜エディンバラ〜ロンドン 約1,500km
- 5位 ブエルタ・ア・エスパーニャ 約3,300km
- 4位 ジロ・デ・イタリア 約3,400km
- 3位 ツール・ド・フランス 約3,500km
- 2位 トランスコンチネンタルレース 約4,000km
- 1位 レース・アクロス・アメリカ 約4,800km
- まとめ
10位 オリンピック男子ロードレース 230~270km
IOCやUCIは「技術的に優れた選手が勝者となる」「集団スプリントではなく真の実力者が勝つ」そんなコース設定を求めています。例えば東京オリンピック2020では東京・武蔵野の森公園をスタートし、東京都・神奈川県・山梨県・静岡県を経由して富士スピードウェイにゴールする全長約234km、獲得標高約4,865mの山岳コースが設定されました。オリンピックの開催地によって距離が変わり、直近5大会は以下の距離でした。
パリ大会(2024年) 約273km
東京大会(2020年) 約234km
リオ大会(2016年) 約237.5km
ロンドン大会(2012年) 約250km
北京大会(2008年) 約245.4km
9位 パリ〜ルーベ 約250km
パリ〜ルーベは「北の地獄」と呼ばれる伝統的なワンデーレースで総距離約250kmのうち30カ所約55kmに及ぶ石畳(パヴェ)区間が最大の特徴です。石畳が不規則に敷かれた悪路や、アランベールの森など難所が続き、落車やパンクが頻発します。選手はフラット基調ながら過酷な石畳を乗り越えパリからルーベを目指します。
8位 ミラノ〜サンレモ 約300km
画像:https://www.cyclesports.jp/
ミラノ〜サンレモは全ワンデーレース中最長級の約300kmであり「春のクラシック」として知られます。コースの序盤は長い平坦路、中盤にトゥルキーノ峠などの登坂、終盤にはチプレッサやポッジオといった短い丘が連続します。スプリンター有利な展開が多い一方、終盤の丘越えでアタックが決まることもあり、戦術と持久力が問われるコースです。
7位 パリ〜ブレスト〜パリ 約1,200km
パリ〜ブレスト〜パリはパリ郊外ランブイエをスタートし、フランス西端のブレストで折り返して再びパリへ戻る往復約1,200kmのコースです。大きな峠はないものの、アップダウンが連続し累積標高は約10,000mに達します。4年に一度開催され順位や速さではなく制限時間内の完走が求められるため(ブルベと言われるレース形式)、持久力と自己管理力が問われます。
6位 ロンドン〜エディンバラ〜ロンドン 約1,500km
ロンドン〜エディンバラ〜ロンドン(LEL)はイギリスを南北に縦断する約1,500kmの超長距離ブルベで4年に一度開催されます。ロンドンからエディンバラを往復し、制限時間は約125〜128時間。イギリスらしく大きな山岳はないものの、細かなアップダウン・変わりやすい天候や昼夜の寒暖差も選手を襲います。
5位 ブエルタ・ア・エスパーニャ 約3,300km
ブエルタ・ア・エスパーニャはスペイン全土を巡る約3,300km・3週間のステージレースでグランツールの中でも特に山岳ステージが多いのが特徴です。勾配20%超の激坂や標高2,000m超の山頂フィニッシュが頻出し、クライマー向けの過酷なコース設定となっています。平坦ステージは少なく、連日のアップダウンや気候変化が選手の体力と奪います。
4位 ジロ・デ・イタリア 約3,400km
ジロ・デ・イタリアは約3,400km・累積標高52,500mを3週間かけて走破するグランツールの一翼を担うレースです。イタリア各地の美しい景観や世界遺産を巡る中で、山岳ステージや頂上ゴールが多くグランツールらしく選手を苦しめる過酷なコースが特徴です。個人タイムトライアルやスプリンター向きの平坦区間も織り交ぜられるため選手の総合力が問われます。
3位 ツール・ド・フランス 約3,500km
画像:https://osake-sakana-bicycle.com/
ツール・ド・フランスは全21ステージ・総距離約3,500km、総獲得標高51,550mを誇る世界最大のステージレースです。2025年大会ではフランス国内のみを巡り、平坦・丘陵・山岳・タイムトライアルと多彩な地形が組み込まれています。ピレネーやアルプスなどの厳しい山岳ステージが勝負所で選手・チームの総合力と戦術、登坂力が問われる過酷なコースです。
2位 トランスコンチネンタルレース 約4,000km
画像:https://note.com/hakurai/n/nd6ddd28a7b9c
トランスコンチネンタルレース(TCR)はヨーロッパ大陸を横断する約4,000kmのノーサポート・シングルステージレースです。スタートとフィニッシュ地点は毎年異なり、複数のコントロールポイントと指定区間(パルクール)以外は自分でルートを選択します。時計はスタートからゴールまで止まらず、休息や睡眠も含めた総合力と自己管理が問われます。
1位 レース・アクロス・アメリカ 約4,800km
画像:https://zuccha.blogspot.com/
レース・アクロス・アメリカ(RAAM)はアメリカ西海岸カリフォルニア州から東海岸メリーランド州まで約4,800km・獲得標高約53,000mを12州横断で走破する世界最長級のシングルステージレースです。スタートからゴールまで時計は止まらず、一般公道を使用、砂漠の酷暑やロッキー山脈越え、アパラチア山脈のアップダウンなど多様な地形と気候が選手を苦しめます。サポートクルーの力も不可欠で、極限の体力・精神力・戦略が問われます。
まとめ
順位 | 大会 | 距離 |
---|---|---|
1位 | レース・アクロス・アメリカ | 約4,800km |
2位 | トランスコンチネンタルレース | 約4,000km |
3位 | ツール・ド・フランス | 約3,500km |
4位 | ジロ・デ・イタリア | 約3,400km |
5位 | ブエルタ・ア・エスパーニャ | 約3,300km |
6位 | ロンドン〜エディンバラ〜ロンドン | 約1,500km |
7位 | パリ〜ブレスト〜パリ | 約1,200km |
8位 | ミラノ〜サンレモ | 約300km |
9位 | パリ〜ルーベ | 約250km |
10位 | オリンピック男子ロードレース | 230~270km |
以上