2023/7/19 作成
はじめに
F1のチーム戦力は予算に比例するとはよく言われます。
お金があればより速いマシンを作ることが出来るからです。
もちろんそこまで単純な話ではありませんが、本記事に記載する分配金をみていただければ、予算≒速さであることがイメージできます。
チームの予算はどれだけ収入があるかによって決まります。
F1チームの収入は大きく次の2つから成り立っています。
1.スポンサー収入
2.ライセンス料(グッズ販売など)
3.F1運営からの分配金
本記事ではこのうち”F1運営からの分配金”にフォーカスを当ててまとめています。
そして、本記事を読むことでこの分配金がいかに”不平等”であるかが分かります。
参考HP:Formula 1 Prize Money (Team Wise Breakdown 2022 Season)
分配金の種類
F1運営からの分配金は3つの種類に分けられます。
【分配金1】F1参戦分配金
F1に参戦するチームに均等に(平等に)割り当てられる分配金です。
【分配金2】前シーズンの成績による分配金
前シーズンの成績により変化する分配金です。
当然上位の成績(獲得ポイントが大きい)ほど多くの分配金を得ることが出来ます。
これもモータースポーツという競争を行っている以上、平等な制度と言えます。
【分配金3】謎のボーナス
これが意味不明な分配金です。
詳細は不明ですが、フェラーリ、メルセデス、マクラーレン、レッドブルのみが受け取っている分配金です。
フェラーリはF1初期から参戦しているとか、マクラーレンは歴史があるとか、メルセデスとレッドブルは大きなチームだからとか、そういう訳分からない理由と推察されます。
また厄介で意味不明なのが、この分配金の割合が最も多いことです。
シンプルに不平等です。
各チームが受け取る分配金
前置きが長くなりましたが、本題の各チームが受け取る分配金を以下に示します。
また、分配金情報は2022年のものです。
チーム | 分配金1 | 分配金2 | 分配金3 | 合計 |
---|---|---|---|---|
フェラーリ | 49 | 78.4 | 159.6 | 287 |
メルセデス | 49 | 92.4 | 106.4 | 247.8 |
マクラーレン | 49 | 64.4 | 99.4 | 212.8 |
レッドブル | 49 | 44.8 | 46.2 | 140 |
ルノー | 49 | 53.2 | 0 | 102.2 |
ハース | 49 | 49 | 0 | 98 |
レーシングポイント | 49 | 33.6 | 0 | 82.6 |
ザウバー (現アルファロメオ) |
49 | 29.4 | 0 | 78.4 |
トロ・ロッソ (現アルファタウリ) |
49 | 23.8 | 0 | 72.8 |
ウィリアムズ | 49 | 21 | 0 | 70 |
金額:億円
レート:140円/ドル
- 分配金1(F1参戦分配金)は各チームで49億円受け取っています。
- 分配金2(前シーズンの成績)は1位のメルセデスで92.4億円、最下位のウィリアムズで21億円です。その差は約70億円とやはり成績差による収入差は大きいと言えます。
- 分配金3(謎のボーナス)はフェラーリがダントツで多く貰っていて、その金額は150円と、フェラーリが得ている分配金の実に半分を占めます。極端な考えですが、フェラーリは成績が全くダメでも毎年200億近い分配金を得ることが出来るので、”F1運営がバックアップするフェラーリ様に活躍いただくためのF1”状態になっています。メルセデスとマクラーレンもF1での歴史はそこそこあるので約100億円の謎のボーナスを貰っています(それでも近年のマクラーレンは遅いですが)。レッドブルはこれら3チームほど歴史はありませんが、近年(特に2010年代以降)は上位にいるチームであり、資金力もあるので、力技で”謎のボーナス”を勝ち取ったのかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか?
F1運営からの分配金がいかに不平等かが良く分かると思います。
個人的には”ただ参戦歴が長い”という理由だけで100億円以上のボーナスを受け取るのは意味が分からないですし、F1の発展の阻害になっていると思います。
現在F1を運営するアメリカのリヴァティメディアには是非とも公正な競争になるように各チームとの契約を見直して欲しいものです。
以上
F1ドライバーの年俸をまとめています。
F1ドライバーの妻&彼女をまとめています。
セーフティカーの役割と導入理由をまとめています。