箱根駅伝において「エース区間」とは、各チームで最も早いランナーを配置する重要な区間です。
この区間での走りはチーム全体の順位に大きく影響し、勝敗を左右することも少なくありません。
本記事では、エース区間の特徴や戦略上の重要性について詳しく解説します。
目次
エース区間は「華の2区」
箱根駅伝には10のレース区間に分かれており、各区間にはそれぞれの特徴があります。
その中でも2区は特に重要な区間と考えられ、箱根駅伝ファンからは「華の2区」と呼ばれています。
2区は23.1kmと箱根駅伝の中で最も長く、アップダウンもある区間です。
このため、各大学のエース選手が走ることが多く、彼らの実力が試されるコースとなっています。
また、2区は特に多くの観客が沿道で応援するため、選手たちは大きな声援を受けながら走ります。
これが「華の2区」と呼ばれる理由の一つで、箱根駅伝の中でもとりわけ注目される区間です。
2区の戦略上の重要性
2区は箱根駅伝の序盤に位置しているため、ここで良い成績を出すとチーム全体の流れを良くすることができます。
また、2区には「権太坂」や「戸塚の壁」といった厳しい坂があります。
これらの坂を攻略するには、体力だけでなく、精神力や戦略も必要です。
長い距離と厳しい坂があることで実力差が顕著に出るため、万が一遅い選手を当てはめた場合は順位を一気に落とす恐れがあります。
そして一度落とした順位(雰囲気・流れ)を取り戻すのは容易ではありません。
このため、2区は最も重要な区間と言われることが多く、毎年各チームはエース級の選手を投入します。
2区を走る選手に必要なこと
まず、23.1kmと最も長い距離を走るためには、
・人一倍の持久力
・高スピードを維持する力
が必要です。
また、「権太坂」や「戸塚の壁」といった厳しい坂を攻略するためには強い脚力だけでなく折れない精神力が必要です。
2区に選ばれた選手は各大学のエースであることを自覚して、とりわけ大きいプレッシャーの中でも自分の力を最大限に発揮できる勝負能力が求められます。
最後に、2区はレースの序盤に位置し、ここでの成績がチーム全体の流れを大きく左右します。
そのため他の選手を一気に抜く「ごぼう抜き」を狙う攻撃的な走りができる選手だと尚良いです。
このように、箱根駅伝の2区を走る選手は、持久力、メンタル、勝負能力、攻撃的な走りを兼ね備えたエース級の選手であることが求められます。
エース区間の歴史
箱根駅伝の2区は歴史的に多くの名選手が活躍してきた区間です。
例えば、2009年大会では日本大学のギタウ・ダニエル選手が20人を抜く「ごぼう抜き」を達成し、チームを22位から2位に押し上げました。
また期待されたエース選手が突然ブレーキすることもあります。
このような劇的な展開がしばしば見られるため、観客にとっても大きな見どころとなっています。
2区以外の重要な区間
現在でも2区がエース区間であり、戦略上重要な区間であることは変わりありません。
しかし、2区以外にも重要な区間はあります。
山登りと山下りの5区と6区はチームでタイム差がです区間のため、重要度が高いです。
まず5区は「天下の険」と呼ばれる険しい山道を駆け上がる区間です。
コースは小田原中継所から箱根の芦ノ湖までの20.8kmを走ります。
前半部分は比較的平坦ですが、後半は急な上り坂が続き、選手の持久力と精神力が試されます。
5区間は往路の最終区間であり、往路順位への影響が大きく優勝争いにおいて非常に重要です。
6区は逆に箱根・芦ノ湖から小田原中継所までを走り下る区間です。
山下りの技術が求められ、早いスピードを出し続ける必要があります。
選手は下りの勢いを利用しつつも、足への負担を考慮した頭を使うレースをする必要があります。
6区は復路のスタートを切る区間であり、チームの2日目の流れを作る重要な役割を担っています。
まとめ
本記事では「華の2区」がエース区間である理由と戦略上の重要性を解説しました。
また、5区の山登りと6区の山下りも負けじと重要な区間であることを記載しました。
箱根駅伝における2区の重要性を理解して、より一層駅伝観戦を楽しんでいきましょう!
以上