2022年5月21日 作成
2024年6月8日 更新
■はじめに
本記事では2008年以降ラ・リーガ(リーガエスパニョーラ)の歴代得点王ランキングのTOP3をまとめてみました。
多くのゴールを演出してきた名選手をあらためて確認しましょう。
また、スペインのマルカ紙が主催する賞で「ピチーチ賞」があります。
ピチーチ賞はスペインのサッカーリーグでそのシーズンに最も得点を取った選手に与えられる賞で、本ランキングの1位の選手はもれなくピチーチ賞受賞者となります。
■2023/2024シーズン
順位 | 選手名 | 得点数 | チーム |
---|---|---|---|
1位 | アルテム・ドフビク | 24 | ジローナ |
2位 | アレクサンデル・セルロート | 23 | ビジャレアル |
3位 | ロベルト・レバンドフスキ | 19 | バルセロナ |
3位 | ジュード・ベリンガム | 19 | レアル・マドリード |
画像:https://tmssl.akamaized.net/images/foto/galerie/artem-dovbyk-fc-girona-2024-1705912041-126951.jpg?lm=1705912049
ウクライナ人のアルテム・ドフビクは遅咲きのストライカーと言える。プロ選手になったのは17歳で地元ウクライナのチェルカースィというクラブ。その後ドニプロ(ウクライナ)→ミッティラン(デンマーク)→ドニプロ(ウクライナ)を経て、2023年にジローナまで上り詰めた。4大リーグ初年度から爆発しレアル・マドリード、バルセロナ、アトレティコ・マドリードの3強以外からのリーグ得点王は16年ぶりとなった。大ブレイクを果たしたアルテム・ドフビクは移籍の注目株となり、アトレティコ・マドリードへの移籍話がすでに出ている。
■2022/2023シーズン
順位 | 選手名 | 得点数 | チーム |
---|---|---|---|
1位 | ロベルト・レバンドフスキ | 23 | バルセロナ |
2位 | カリム・ベンゼマ | 21 | レアル・マドリード |
3位 | ホセル | 16 | エスパニョール |
ブンデスリーガ&ポーランドのレジェンドフォワードであるロベルト・レバンドフスキがついにラ・リーガに挑戦した1年目です。ブンデスリーガではドルトムントとバイエルンで大量の得点(ドルトムント:131試合74得点、バイエルン:253試合238得点)を挙げており、十分すぎる実績を携えてバルセロナへ移籍しました。移籍当時は33歳とベテランの域に達しており、またシャビ監督のサッカーに適合できるのか疑問の声もありました。しかし結果としてはラ・リーガ得点王を獲得し、バルセロナをリーグ優勝に導きました。
また、得点ランキング2位に入ったのはさすがというべきか、バロンドール受賞選手のあるベンゼマです。レアルで全てを勝ち取ったベンゼマはシーズン終了後にサウジアラビアのアル・イテハドに年俸1億ユーロ(約150億円)の契約で移籍しました。
■2021/2022シーズン
順位 | 選手名 | 得点数 | チーム |
---|---|---|---|
1位 | カリム・ベンゼマ | 27 | レアル・マドリード |
2位 | イアゴ・アスパス | 18 | セルタ |
3位 | ヴィニシウス・ジュニオール | 17 | レアル・マドリード |
3位 | ラウール・デ・トマス | 17 | エスパニョール |
画像:Benzema, pichichi de la Liga 2021-22 | Real Madrid CF
カリム・ベンゼマがついにラ・リーガ得点王(ピチーチ)を獲得しました。2009年に加入して13シーズン在籍し、34歳にしてレアル・マドリード主将、27得点(得点王)、12アシスト(リーグ2位)、ラ・リーガ優勝を達成しました。さらにこのシーズンはレアル14度目のCL優勝にも貢献しました。これだけの成績を残した結果、2022年にバロンドールを初受賞することができました。
レアル・マドリードOBのグティは「クリスティアーノ・ロナウドが去ってから、ゴールを必要としていたマドリーに多くをもたらした。ベンゼマは今、最も純粋な形でサッカーを表現している」と評しています。(今季43戦43発! 得点力爆発のベンゼマにグティ氏も脱帽「ここまでとは…」(超WORLDサッカー!) - Yahoo!ニュース より)
また、レアル・マドリードからはブラジルの至宝 ヴィニシウス(当時21歳)も17ゴールと次世代のエースも育っています。
■2020/2021シーズン
順位 | 選手名 | 得点数 | チーム |
---|---|---|---|
1位 | リオネル・メッシ | 30 | バルセロナ |
2位 | ジェラール・モレノ | 23 | ビジャレアル |
2位 | カリム・ベンゼマ | 23 | レアル・マドリード |
3位 | ルイス・スアレス | 21 | アトレティコ・マドリード |
画像:How will be the season 2020-2021 of the Barça with Messi?
メッシは過去12シーズンに渡りラ・リーガ得点ランキングTOP3に入り続け、そのうち8回で得点王を獲得しています。文句なしに歴史に名を刻むラ・リーガのレジェンドの選手です。
2020/2021シーズンのメッシはバルセロナとの契約解除を希望するも、ラ・リーガとバルセロナに阻まれる形で臨んだシーズンでしたが、それでも得点王となるのはさすがの一言。シーズン終了後は一転してバルセロナとの再契約を望むも、今度はバルセロナの経済的理由(サラリーキャップがリーグ規定に引っかかる)によりできず、文字通り涙ながらにバルセロナを去り、パリ・サンジェルマンに移籍しました。(メッシの給料を払えるクラブとなると選択肢が無いのも事実でしょう。)
■2019/2020シーズン
順位 | 選手名 | 得点数 | チーム |
---|---|---|---|
1位 | リオネル・メッシ | 25 | バルセロナ |
2位 | カリム・ベンゼマ | 21 | レアル・マドリード |
3位 | ジェラール・モレノ | 18 | ビジャレアル |
画像:Karim Benzema di Real Madrid Musim 2019/2020, Versi Lain Lionel Messi-nya Barcelona - Bola.net
2009年にフランスのリヨンからレアル・マドリードに加入したカリム・ベンゼマもレアルの歴史に名を遺す選手と言えます。クリスティアーノ・ロナウド在籍時は良き相棒として前人未到のチャンピオンズリーグ3連覇に貢献し、2018年のロナウド退団後はレアル・マドリードのエースとして得点を量産しました。
■2018/2019シーズン
順位 | 選手名 | 得点数 | チーム |
---|---|---|---|
1位 | リオネル・メッシ | 36 | バルセロナ |
2位 | ルイス・スアレス | 21 | バルセロナ |
2位 | カリム・ベンゼマ | 21 | レアル・マドリード |
3位 | イアゴ・アスパス | 20 | セルタ |
画像:Luis Suárez encara the Champions 2018-19 with an aim: Be decisive for the Barça
ルイス・スアレスは2014年にリヴァプールからバルセロナに移籍金8100万ユーロ(約112億円、移籍当時2014年7月の1ユーロ=139円で換算)で移籍しました。移籍後はメッシ、ネイマールで形成する強力3トップ(MSN)の一人として得点を量産し、バルセロナ歴代3位の得点を記録しています。しかし、2019/2020シーズン終了後に当時のロナルド・クーマン監督から戦力外通告を受けて、アトレティコ・マドリードに移籍しました。その翌シーズンにアトレティコ・マドリードがリーグ優勝し、メッシの退団希望(スアレスへの対応に不信感を募らせたため)に繋がったことから、クーマン監督の決断が誤っていたことになります。
■2017/2018シーズン
順位 | 選手名 | 得点数 | チーム |
---|---|---|---|
1位 | リオネル・メッシ | 34 | バルセロナ |
2位 | クリスティアーノ・ロナウド | 26 | レアル・マドリード |
3位 | ルイス・スアレス | 25 | バルセロナ |
画像:https://www.legendsstadium.com/news/world-soccer/69111/
クリスティアーノ・ロナウドはレアル・マドリードに在籍した9年間でクラブ歴代最多の451ゴールを記録し、チャンピオンズリーグ3連覇に大きく貢献し、名実ともにレアル・マドリード史上最高のストライカーでした。そして2017/2018シーズン後はチャンピオンズリーグ優勝を置き土産とし、イタリアのユヴェントスに活躍の場を移しました。
■2016/2017シーズン
順位 | 選手名 | 得点数 | チーム |
---|---|---|---|
1位 | リオネル・メッシ | 37 | バルセロナ |
2位 | ルイス・スアレス | 29 | バルセロナ |
3位 | クリスティアーノ・ロナウド | 25 | レアル・マドリード |
画像:The 2016-2017, the almost perfect "season" of Leo Messi
2016/2016シーズンのメッシはバルセロナ通算500ゴールを達成し、シーズン終了後にバルセロナとの契約を4年延長し、年俸は手取りで4000万ユーロ(約45億6000万円、移籍当時2014年7月の1ユーロ=114円で換算)となりました。バルセロナでの獲得タイトルもラ・リーガ、コパ杯、チャンピオンズリーグの3冠と十分過ぎるものでした。
■2015/2016シーズン
順位 | 選手名 | 得点数 | チーム |
---|---|---|---|
1位 | ルイス・スアレス | 40 | バルセロナ |
2位 | クリスティアーノ・ロナウド | 35 | レアル・マドリード |
3位 | リオネル・メッシ | 26 | バルセロナ |
画像:Luis Suarez and how 2015-16 came to define his Barcelona legacy - Barca Blaugranes
2015/2016シーズン、ルイス・スアレスはリーグ40ゴールを挙げて、これまで長らくロナウドとメッシが争っていた得点王に新たな風を吹き込みました。また、クラブワールドカップでは大会史上最多の5ゴールを挙げてMVPとなりました。
■2014/2015シーズン
順位 | 選手名 | 得点数 | チーム |
---|---|---|---|
1位 | クリスティアーノ・ロナウド | 48 | レアル・マドリード |
2位 | リオネル・メッシ | 43 | バルセロナ |
3位 | アントワーヌ・グリーズマン | 22 | アトレティコ・マドリード |
画像:Antoine Griezmann: his 2014/15 season in the Liga BBVA | LaLiga
フランス人ストライカーのアントワーヌ・グリーズマンは2014年夏にプレミアリーグの上位クラブから声がかかる中、レアル・ソシエダからアトレティコ・マドリードに加入しました。加入初年度からシメオネ監督の下で才能を発揮し、リーグ3位の22得点を挙げました。アトレティコ・マドリード在籍中の5シーズンでエースとして活躍したのちにバルセロナに移籍。しかし、バルセロナでは結果を残すことが出来ず、2シーズンでアトレティコ・マドリードにローンという形で戻りました。その後バルセロナの財政問題もあり、2000万ユーロとバーゲンセールと言える移籍金で完全移籍となりました。
■2013/2014シーズン
順位 | 選手名 | 得点数 | チーム |
---|---|---|---|
1位 | クリスティアーノ・ロナウド | 31 | レアル・マドリード |
2位 | リオネル・メッシ | 28 | バルセロナ |
3位 | ジエゴ・コスタ | 27 | アトレティコ・マドリード |
画像:https://twitter.com/squawka/status/911158631533596673
2010年にアトレティコ・マドリードに加入したジエゴ・コスタは加入当初は苦労したものの徐々に結果を重ねていき、2013/2014シーズンは27得点でロナウド、メッシに次ぐリーグ得点ランキング3位に名を連ねて、アトレティコ・マドリードの18年ぶりのリーグ優勝に貢献しました。そして優勝を置き土産にシーズン終了後にプレミアリーグのチェルシーに移籍しました(その後2018年にアトレティコ・マドリードに復帰)。
■2012/2013シーズン
順位 | 選手名 | 得点数 | チーム |
---|---|---|---|
1位 | リオネル・メッシ | 46 | バルセロナ |
2位 | クリスティアーノ・ロナウド | 34 | レアル・マドリード |
3位 | ラダメル・ファルカオ | 28 | アトレティコ・マドリード |
画像:https://www.sportskeeda.com/football/stats-radamel-falcao-in-201213
元コロンビア代表FWのラダメル・ファルカオはアトレティコ・マドリードに2シーズン在籍し、68試合に出場、52得点を挙げました。クリスティアーノ・ロナウドとメッシの全盛期と被ったために得点王こそは獲得できませんでしたが、2012/2013シーズンはマドリードダービーとなったコパ決勝での勝利しクラブタイトルを獲得しました。アトレティコ・マドリード以降はモナコ、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、ガラタサライ、ラージョと多くのクラブでプレーしています。
■2011/2012シーズン
順位 | 選手名 | 得点数 | チーム |
---|---|---|---|
1位 | リオネル・メッシ | 50 | バルセロナ |
2位 | クリスティアーノ・ロナウド | 46 | レアル・マドリード |
3位 | ラダメル・ファルカオ | 24 | アトレティコ・マドリード |
画像:Who had the better season in 2011-2012; Messi or Cristiano Ronaldo? ~ And there's more to life
2011/2012シーズンのラ・リーガの得点王争いはメッシ50得点、クリスティアーノ・ロナウド46得点とまるでゲームのような結果でした。またリーグ戦はレアル・マドリードは勝ち点100で優勝、2位のバルセロナは勝ち点91、3位のバレンシアは勝ち点61と上位2チームが両エースとともにいかに抜けていたかが分かります。
■2010/2011シーズン
順位 | 選手名 | 得点数 | チーム |
---|---|---|---|
1位 | クリスティアーノ・ロナウド | 40 | レアル・マドリード |
2位 | リオネル・メッシ | 31 | バルセロナ |
3位 | セルヒオ・アグエロ | 20 | アトレティコ・マドリード |
3位 | アルバロ・ネグレド | 20 | セビージャ |
画像:L'agent d'Agüero entrouvre la porte à un départ vers la Premier League
セルヒオ・アグエロのイメージはどのクラブでしょうか?やはりマンチェスター・シティをプレミアリーグ初優勝に導いたレジェンド、というイメージが強いかもしれません(エティハド・スタジアムの前にはアグエロの銅像もあります)。しかし、マンチェスター・シティ加入前はアトレティコ・マドリードで2006~2011年に175試合74得点を挙げています。ただ、アグエロが一方的に退団発表をするなど去り方が悪すぎたため、今でもアトレティコファンからは好ましく思われていません。
■2009/2010シーズン
順位 | 選手名 | 得点数 | チーム |
---|---|---|---|
1位 | リオネル・メッシ | 34 | バルセロナ |
2位 | ゴンサロ・イグアイン | 27 | レアル・マドリード |
3位 | クリスティアーノ・ロナウド | 26 | レアル・マドリード |
画像:Higuain on target for Real - Eurosport
元アルゼンチン代表FWのコンサロ・イグアインはレアル・マドリードの並みいる歴代FW陣(ラウール、ロビーニョ、ファン・ニステルローイ、カカ、ベンゼマ、クリスティアーノ・ロナウド)との競争を勝ち抜き出場を続けて活躍しました。しかし、最終的にはクリスティアーノ・ロナウドとの相性の良かったベンゼマの起用が多くなり、2012年にナポリに移籍し、ラ・リーガに戻ることはありませんでした。
■2008/2009シーズン
順位 | 選手名 | 得点数 | チーム |
---|---|---|---|
1位 | ディエゴ・フォルラン | 32 | アトレティコ・マドリード |
2位 | サミュエル・エトー | 30 | バルセロナ |
3位 | ダビド・ビジャ | 28 | バレンシア |
画像:Forlan: I got the boot - Eurosport
ディエゴ・フォルランは2007年にビジャレアルからアトレティコ・マドリードに加入しました。セルヒオ・アグエロとの強力2トップを形成し、2008‐2009年はバルセロナのエトーとバレンシアのダビド・ビジャとハイレベルな争いを制してリーグ得点王になりました。なお、2014-2015年にはセレッソ大阪に加入し、日本で大きな話題となりました。
以上
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